花粉症の約70%は、スギ花粉症だと推察されています。
これは日本の国土に占めるスギ林の面積が大きく、全国の森林の18%、国土の12%を占めているためでもあります。
北海道にはスギ花粉飛散は極めて少なく、沖縄にはスギが全く生息しません。関東・東海地方では、スギ患者さんが多く見られます。
スギの花粉は雄花の中で成長します。雄花は花粉が7月の初めごろから作られますが、このころに日照りが続き、雨が少ないと、雄花のもとである花芽がたくさんできます。
花芽は夏から初秋にかけて発育を続け、やがて雄花が完成します。そして雄花の中に花粉が作られます。花粉が完成するのが10月中旬です。
スギの成長の度合い、雄花の量から翌年のスギ花粉飛散予報がおおよそ決まります。また、この頃から少しずつ花粉が飛び始めることも知られてきています。
年を越して暖かくなり始めると、雄花は開花して花粉が一斉に飛び始めます。地球の温暖化の影響で花粉飛散数も増加が予想されています。
スギ花粉の飛散量は年によって大きく変動しますが、近年、戦後1960〜70年代に植えられたスギの木が大きく成長し、潜在的な花粉生産能力が高い状態になっています。
スギは樹齢30年前後から花粉量が増加するため、1970年代に入ると一斉に花粉をつけ始めました。そしてそれ以降スギ花粉の飛散量は急激に増え、爆発的な飛散を繰り返しました。それにヒノキが追い討ちをかけ、花粉症患者の急増に結びついたと考えられます。
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